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ブレーキのお話(スロープとバンクの違い)

立体セクションでのブレーキの接触領域に関するまとめです.

3レーンの 立体コースでは主に「バンクアプローチ20(バンク)」と「スロープセクション(スロープ)」が用いられており,最近ではバンクでは減速せずにスロープで減速可能なブレーキ調整が1つの選択肢として重要になってきています.

そこで,ブレーキ調整の検討のために,それぞれのセクションを走行した際のタイヤからバンパー端までの領域でコースと接触する領域を判定するシミュレータを作ってみました.
バンクやスロープの寸法はネットで拾ったものなので数値の信頼性は不明ですが,傾向としては悪くないといます.

今回は,このシミュレータの結果に基づいてブレーキ調整の考え方について述べています.また,ブレーキの触れ方の変化について説明するためにバンパーの高さが6mmと4mmの時の結果を使って以下で説明していきます.

バンパー高6mm

下の図が各セクションに侵入してから脱出するまでに床面に接触した領域を表したものです.上段がフロント,下段がリア側の結果を示し,左からスロープ,バンク,スロープとバンクの差異です.色は左二つは"青:非接触","赤:接触",右の比較は"緑:差異無し","赤:スロープのみ接触"を表しています.

この結果から,スロープのみで接触する領域が存在することがわかり,バンクの青領域のギリギリあたりにブレーキを貼ればスロープのみ減速可能なブレーキ調整が可能だと考えられます.
また,スロープのみ接触する領域はタイヤから離れるほど広くなる傾向があるため,タイヤから離れた位置でブレーキを調整した方が調整がしやすいのではと考えています.ただし,フロントに関しては最前の位置に貼ると着地の姿勢次第では前転する危険があるので注意が必要です.

バンパー高4mm

バンパー高を下げた時の結果は下の図の通りです.色などは前項と同じですが,右下の青の領域は"バンクのみ接触"を表しています.
 
フロントは前項と同じ傾向ですが,右下の図で赤の領域がなくなり青の領域が現れています.これは,バンパーの高さを下げたため,床と接地する位置がタイヤからバンパーに変わったためです.タイヤの接地状況とブレーキ接触領域の傾向の変化については下図にまとめたのでご参考まで.

つまるところ,バンクでブレーキプレートの先端で接地した(タイヤが浮いた)状態で,タイヤに近いバンクに触れない位置にブレーキを貼ってもスロープでブレーキは接触しないということです.

おわりに:
小難しく書いてきましたが,スロープのみで触れるブレーキの調整の際には,ブレーキをかける側を"バンクでタイヤが接地し,タイヤから遠めのギリギリの高さにブレーキを貼る"というのが自論です.レイアウトに応じてこれ以外の調整の方が良いこともありますが,1つの知見としてお役に立てば幸いです.


備考:
計算に使用した諸元
・ホイールベース:84mm
・タイヤ径:26mm
・フロントオーバーハング:35mm
・リアオーバーハング:45mm

更新履歴:
17/07/06 公開