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Xシャーシで気をつけていること 2(モーター固定編)

駆動軸のまとめで割愛したモーターの固定に関してまとめました.
  
モーターを固定するのは,こちらの記事(駆動軸編)で述べたように適切に力を伝達するのがねらいです.モーターが回転する際にその軸に作用する力の向きは,正転時は”後方下向き”,逆転時は”前方上向き”となります.この向きは,モーターを支持するAパーツを外した状態でタイヤをロックし,シャーシを裏返してスイッチ入れた際のモーターの動きでも確認できます.

Xシャーシはモーターの四方を囲むような構造になっているので堅牢そうですが,ターミナルの反対側(背面)にはワッシャー1枚ほどのすき間があったり,シャーシ底面(底面)はAパーツで支持しているので他面よりは強度が低いです.これらの方向に力が作用した場合,モーターの位置が変化してしまい,モーターに取り付けたピニオンギアとカウンタギアとの位置関係が変わることで伝達効率が低下する恐れがあります.そのため,正転で使用する際にはガタを無くすための”背面のクリアランス調整”と,Aパーツの強度補助のための”底面のAパーツ支持”をしており,このあたりの方法を以降で紹介していきます.

背面のクリアランス調整

背面のクリアランスは,以下の写真の箇所にマスキングテープやポリカボディの切れ端を貼り付ることで調整しています.マスキングテープは調整が簡単,ポリカは滑りがいいためモーターの付け外しが簡単と一長一短かと思います.いろいろ試している間は簡単に調整可能なマスキングテープをお勧めします.

底面のAパーツ支持

正転車のタイヤをロックした状態でスイッチを入れると,底面のAパーツが後方が下方向に僅かに動く(変形する?)様子が確認できます.そこで,Aパーツの後ろ側を以下の写真にある自作の部品で支持しています. 
 
左のL字の部品は3mmのカーボンステーから削り出したもので,以下の写真のように中央あたりにある穴を通して,Aパーツのツメが入る場所の脇にある壁面に引っ掛けることで保持しています.このとき,通している穴にはもともと横向きのリブがあるのでデザインナイフなどで除去しておいてください.この方法だと,支持する位置と引っ掛ける位置が近いのでこの厚さでも強固に支持することが可能です.
 
次に右の部品ですが,これは1.5mmの直カーボンステーの端材を少し加工したもので,以下の写真のようにリアステーの付根の穴を使って取り付けます.Aパーツの取り外しは,この部品を回転させれば可能になります.上記の方法より製作が非常に簡単です.
 
上記の2つの方法はどちらかだけでも有用かと思いますが,それぞれ以下のような懸念事項があります.
・左:走行時の振動で左右にズレると外れてしまう
・右:左の部品の方法より支持強さが弱い
 そのため,私は冒頭の写真のように両方の方法を併用することで互いの懸念を払拭しています.

おわりに:
今回の内容は正転車で速度が不調だった際にこのあたりの解説を見かけ,調整したところタイムが短縮できたためまとめるに至りました.Twitterにてわかりやすく解説いただいた方には大変感謝しております.
それぞれの有無で効果を確認したところ,両方の調整を行ったときだけ明確にタイムの短縮が確認できたので両方行った方がいい気がします. なお,原理的には逆転時の効果は薄いように感じますが,背面のクリアランス調整は手軽でデメリットが特になさそうなので念のため続けていこうと思っています.
また,この他にもいくつかの作例を別の記事(Xシャーシ用の自作GUP)にまとめましたので興味のある方はどうぞ.

更新履歴:
19/12/27: 冒頭の説明文の加筆
18/06/21: 「おわりに」の文末に他の記事へのリンクを追加
17/06/05: 公開