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カーボン加工のあれこれ

カーボンプレートの加工に関する基本事項のまとめです.

この記事ではカーボンプレートの「穴あけ」「貼り合わせ」「切断」「研削」「表面処理」の5つ加工時について手順や工夫などを個別に説明した記事です.

穴あけ

穴あけでは「目印」「下穴」「拡張」の3ステップに分けて加工しています.
まず,「目印」をつける際は既存のプレートの穴をガイドにしてΦ2.0mmのドリルで少し彫り込みます.このとき,ガイドに使うプレートはドリルをまっすぐ立てやすいように厚さが3mm以上にになるように重ねるなどして使用しています.目印は軽くくぼみができる程度で十分です.
次に小さな径のドリルで「下穴」をあけていきます.自分は1.0mmのドリルビットを使ってリュターで開けています.このとき,ピンバイスなどを使用して穴をあけてもよいのですが,このあと修正できるのでここは楽をするためにリューターを使っています.

穴が開いたらドリルもしくはダイヤモンドビット(先端丸)で「拡張」していきます.このとき,いきなり仕上げたい直径のものは使用せず,段階的に分けて穴を広げていくと小さな力で穴を拡げることが出来ますし,穴がずれにくい気がします.また,穴がずれているようなら,ダイヤモンドビットをピンバイスに固定して修正してから穴を広げていくとある程度は修正可能です.
最初の目印をつけるときにのように,プレートをガイドにしていきなり穴をあけることも可能ですが,このような手順でやることでズレを修正出来たり大半の作業をリューターで進めることができるので手で空けるよりも楽に穴をあけられます.

貼り合わせ

ローラーステーなどカーボンプレートを貼り合わせて使用する場合には,接合面に傷をつけてからそこに流し込むように瞬間接着剤を流しこみます.接合面の傷はダイヤモンドやすりなどの角を使って下の写真のようにつけています.瞬間接着剤にはウェーブの「瞬間接着剤×3S」のような低粘度のものを使い側面から流し込みます.

上の写真ではネジ等で止めておりませんが,最初はネジ等で2枚のプレートを固定した状態でネジから遠い場所を接着剤で仮止めし,ネジ等を外した後に全体的に流し込むようにすればズレなく貼り合わせることが出来ます.このとき,ネジ等をつけたまま接着してしまうと一緒に接着してしまって外れないことがあるので要注意です.

切断

切断の際はプリントや穴を目印にマスキングテープを貼って,それを目印に切断していきます.マスキングテープを使うことで簡単にまっすぐな目印ができます.また,マスキングテープは残す側に貼るようにしてください.切断には大きな円盤状のダイヤモンドビットを使用しています.大きいものの方が直線的に仕上げやすいのでお勧めです.

短い場所ならば円盤状のダイヤモンドビットの側面にあてるようにすることでまっすぐに仕上げることが可能です.一方,長い場所だと円盤状のダイヤモンドビットだけではなかなか難しくなります.そこで,長い場所を切断する際には,少し余裕を残すようにしてダイヤモンドビットで切断し,最後にダイヤモンド砥石などの平らなやすりで仕上げるときれいな直線にすることができます.

研削

ブレーキやスラスト角のための傾斜をつける際にはまず,リューターで径の大き目の円柱ビットを使ってある程度傾斜をつけてから紙やすり,ダイヤモンド砥石という順番で仕上げています.紙やすりなどから始めると狙った傾斜をつくるまでに時間がかかってしまうので,そこはリューターでざっくり仕上げてから面や傾斜を紙やすりと砥石で仕上げていくような感じです.

また,紙やすりなどで仕上げていく際は,紙やすりや砥石は机に置きカーボンを動かして仕上げているのですが,カーボンに両面テープを貼っておくとカーボンから指がズレにくくなるため加工が捗ります.

表面処理

主に見た目の好みでカーボンの表面を磨いています.磨く際は,400番のダイヤモンド砥石に油を垂らしてそのうえで研磨します.仕上がりについては好みの問題になりますが,このぐらいが時間や手間もかからず好みの仕上がりになるのでお勧めです.一番下の写真はマルチカーボンプレートの方が新品のものでその下のプレートが表面処理した後のモノになります.

また,磨く面はプリントの無い面のみでプリント面はそのままにすることが多いです.これは,表から見える面のみを磨いて楽をするという理由もありますが,プリントを残しておくことでカットラインを後々確認できるので助かります.

更新履歴:
2019/09/13 公開