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紺ABS SXX/F提灯 (1806, JC2018)

ジャパンカップ2018用に製作したマシンの紹介です.

ジャパンカップ2018は下図のように,車体がジャンプするセクションは終盤のドラゴンバックのみで,そのほかにロッキングストレートとデジタルコーナーの2つのセクションで大きく減速する恐れのあるレイアウトになっています.特にロッキングストレートは壁面に貼られた突起が大きく,模擬したコースなどでの情報を聞いた限りでは減速の恐れだけでなく故障の恐れも大きいようです.

出典:タミヤ「富士通 乾電池 提供 ジャパンカップ2018 総合案内」

この記事では,ジャパンカップ2018用に製作したマシンと今回導入した機構についての紹介していきます.

製作したマシンは下の写真の通りです.前提灯の正転車で基本的な構造は以前ご紹介した5レーン用のマシンと大きく変わりません.タイヤは約25mmのスーパーハードタイヤを使用し,ブレーキはフロントには貼っていますが基本的に前後共に走行中に触れない高さにしています.このブレーキは特定のセクションでの減速ではなく,頭から着地した際にフロント下段ローラーへの衝撃を緩和するために貼っています.


また,ミニ四駆グランプリ2018ニューイヤーからローラー個数とマスダンパーの位置の制限がレギュレーションから撤廃されたため,ローラーは8つ使用し,マスダンパーはローラーの軸を利用して取り付けています.このマスダンパーは既存の穴を3mm以上に拡張してスペーサーに通してており,この位置に設置することでビスが減らせたり,マスダンパー用の支柱が曲がることが減ったりというメリットがある気がします.

ロッキングストレート対策

ロッキングストレートは壁面に幅40~50mm,高さ10~15mmの半丸突起が1レーンあたり3~6個設置されたセクションです.そのため,レギュレーションに規定された車体幅一杯の位置にローラーを固定した状態では通過できない恐れがあります.また,半丸突起状ではあるものの,このサイズだと接触時の衝撃が激しいようで,車体が故障する恐れもあります.

そこで今回は,ローラーステーにスライドダンパーのような左右方向の動きだけでなく,衝撃を後方へ逃がすための可変ダウンスラストローラーのように旋回する動きを加えた機構を取り入れてみました.

まず,リアの機構は下の写真のようになっています.既製品のスライダンパーとは違い,バネをプレートに対して垂直方向に立てて,円錐状の受けを用いることで大きくあいた穴の中央へと戻すように力が作用するような構造になっています.ここで受けに使用している円錐状の部品は2段アルミローラーセット (13-12mm)から切り出したもので,その中をスペーサーが通るようになっています.


この機構の動きは以下の動画のようにローラー軸が円を描いた中を自由に動くことが出来るため,多少衝撃が加わる方向が変わってもうまく逃がせる気がしています.また,バネを垂直に立てているため下からの力に対しても力を逃がすことが可能であり,フェンスに乗り上げた際の復帰にも一役買ってくれることが期待できます.

次にフロントの機構ですが,主な作動方式はリアと同様ですが左右の動きを分離した構造になっています.細かな構造は下の写真のようにリア同様大きくあけた穴のほかに,スライド用の穴をあけています.また,ローラーのスラスト角が変化しないよう蓋を取り付けました.リアの機構との相違点は,スライド用の穴をそれぞれ外側には稼働しないように開けているため,作動領域が円状ではなくおおよそ半円状に変わっています.


ローラー幅は計測値で前後共に103mm超でしたが,フロントは両側をたたむことで100mm程まで狭くなり,リアはローラーステーが傾くことで通過は出来るだろうと考えています.また,フロントローラーはロール方向に対する安定性の向上と,接触時の衝撃でローラーがゆがむリスクを低減できればと思い2段にしてみました.

モヒカンストレート2018対策

モヒカンストレート2018は2コースと4コースに幅30mm,高さ5~10mmの半丸突起が床面に進行方向に対してほぼ平行に設置されたセクションです.また,このセクションの前にはドラゴンバックがあるため,おそらく勝つための速度域ではこの上で着地することが予想されます.また,2つのコースの突起はそれぞれ特徴があり,4コースの突起はややコース外側に向かって斜めに設置されていたり,2コースの突起には人工芝が取り付けられています.

このセクションの対策としては前後のバンパー用ステーの付根近くにプレートを取り付けて,突起の上ではシャーシは接触せずにこのプレートだけ接触するようにしました.こうすることで摩擦軽減とシャーシ底面へのダメージを減らせればれと考えています.


また,2コースでは突起が外側に傾いているため,モヒカンストレートの終わり間際で左側の車輪が突起の頂点を乗り越すことでアウトリフトの状態でコーナーに侵入する恐れがあります.これについては,アウトリフト時に接触する前後の左下側のローラーをエッジのある19mmオールアルミベアリングローラーにしてみましたが,正直不安が残るところです.

終わりに
この記事はジャパンカップ参戦前にまとめたもので,今回はセクションを模擬したコースなどでの検証も行っていないため勘と予想で作り上げた状態です.実際にどのような走りをするかわからないため内心落ち着かない状態ですが,このドキドキ感も含めて楽しんでいければと思っています.

更新履歴:
2018/6/18 画像追加(セクション画像)
2018/6/15 文章校正
2018/6/14 公開